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世界に出よう!

国内・海外旅行紀を投稿します。

キリマンジャロ 5日目

※この旅行記は2016年3月17日から2016年3月27日のものです。情報が古くなる可能性がありますので、ご注意ください。

 

キリマンジャロ登山、5日目。

いよいよ登頂アタック当日。寒さと緊張感からか、ほとんど寝られなかった気がしますが、それ以上に早く頂上に到達したいという気持ちが強かったです。持ってきた服をすべて着込んでいたからか、夜はそれほど寒くありませんでした。

 

時刻は深夜23:30で、出発前に軽食を取ります。ビスケットを少し食べたら、出発の準備をします。偶然にも満月の日と重なって、外は明るく、ヘッドライトがいらないくらいでした。

 

0時ちょうど、いよいよアフリカで最も高い地点、ウフルピークを目指し始めます。ガイドは手ぶらのようでしたが、どうやら何かあったら、支えてでも頂上に連れていってくれるらしい。心強い限りです。

 

出発からしばらくは岩山のような場所を登っていきます。月明かりだけを頼りに、一歩一歩着実に進むようにしました。あまり遠くを見ると、嫌になりそうなので、なるべく足元を見て、自分の呼吸に集中します。少し周りを見てみると、自分たち以外に登っているグループは見当たらず、先頭のようでした。

 

30分ほど進むと、岩山を抜け、少しなだらかな砂利道のようなところにでます。ここまでは順調、ガイドの問いかけにも明るく返事ができます。砂利道を抜けると再びの岩山。ここからは、あまり記憶に残らないくらい単調にひたすら前に進み続けます。どれだけ進んでも、何も様子が変わることもなく、1時間に1回程度の休憩時間にウィダーインゼリーやキットカットを食べて、呼吸を落ち着けます。まさに自分との戦いが続きます。

 

出発して、4時間半。この5日間で初めて、自分から休憩したいと伝えると、あと30分でステラポイントだよ、とガイドが言いました。ふと、坂の上を見上げてみると、確かに薄らと看板の影のようなものが見えます。呼吸は乱れはじめて、辛い状態には変わりありませんが、目的地が見えると俄然やる気が出てきます。

 

短い休憩を終えると、ステラポイントに向かって、一気に登りました。午前5時、暗闇の中、ステラポイント到着。ここまで来ると、一応キリマンジャロ登頂の称号が与えられます。もちろん、ここで終わらせるつもりなんて、まったくありませんでしたが。ステラポイントに立つと、別のルートから大勢の集団がこちらに向かって歩いてきているのが見えました。どうやら、マラングルートからステラポイントを目指しているグループのようで、そのほとんどが日本人でした。さすがは日本人というか、綺麗な隊列を組んで、一糸乱れぬペースで頂上を目指していました。アフリカ最高峰の地でも、個人主義の欧米人と、集団主義の日本人の違いが垣間見られた気がしました。

 

ステラポイントについた感動から、写真を撮ろうとすると、ガイドが「写真はあとで」と言い、先を急ごうとしました。あくまでも目的地はウフルピークということで、しぶしぶ先に進むことにしました。ステラポイントからウフルピークへは一般的に1時間程度ですが、この1時間はあっという間に感じました。目的地に立てるという確信からか、横を見れば広がる氷河の壮大さからか、とにかくあまり覚えていません。ただ、ここにきてガイドが目を閉じて、蛇行を始めました。どうやら、高山病の症状が辛いらしいようです。過去150回以上登頂成功してきたガイドでも、高山病にならない保証はなく、頭を抱えながらなんとか前に進んでいました。

 

視界の先に看板の影が見えると、ウフルピークであると確信しました。このときは、1分1秒でも早く、あの場に立ちたいと気持ちで、足取りも軽く、駆けるように進みました。

 

午前6時、ウフルピーク到着。本当に感動的な瞬間でした。自分が登れないことを想像したことはありませんでしたが、やはりその場所に立ってみると、ものすごい達成感に満ち溢れてきます。看板に手をついて、息を整えます。

 

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満身創痍のガイドにカメラを手渡し、この挑戦で初めて自分の写真を撮ってもらいました。フラフラになりながらも、彼は最低限の仕事をしてくれました。ただ1つ残念だったのは、少しペースが速かったせいか、日の出前に到着してしまい、辺りは真っ暗の中での撮影になってしまいました。

後ろから何組か別のグループが到着し、中にはこのルートで同じスケジュールだったニューヨーク出身の男性がいたので、彼と一緒に記念撮影をし、ウフルピークを後にしました。

 

あまり長居は出来ないということで、15分程度の山頂でした(単純にガイドの体調が悪すぎて、早く下山したかったとしか思えないですが)。ステラポイントに引き返す道で、先ほどの日本人グループとすれ違いました。その中に、見覚えのある夫婦がいました。まさかとは思いましたが、ドーハからの機内で隣に座っていた、あの夫婦でした。向こうもこちらに気付いたようで、3人で抱き合って再会を喜びました。彼らも無事に登頂できて良かったという気持ちと、やはり日本人は根性と忍耐がある、という思いでいっぱいでした。

 

夫婦と別れた後、ようやくメルー山側から太陽が昇ってきました。雲海から現れる日の出は、キリマンジャロを綺麗に照らしていました。

 

ステラポイントまで戻ると、またまた同じスケジュールでここまできたオランダ人女性3人組と再会しました。彼女たちとも登頂成功を喜びあい、麓での再会を約束しました。ウフルピークよりは低いものの、一応記念にステラポイントでも記念撮影をしました。

 

ここからは、ただひたすら下山するだけです。登ってきた道とは違う道を下るのですが、イメージとしては富士山の下山ルートに近いです。砂利のような道をひたすら下るので、走って下ることも出来ますが、滑りやすいので注意が必要です。実際に数回、足を滑らせて転倒しそうになりました。私のガイドは早く標高を下げたかったのか、自分一人でさっさと見えなくなるところまで下ってしまいました。途中、岩に座り込んで、頭を抱えていたので、相当辛かったのだと思います。

 

2時間ほどで、バラフキャンプに到着しました。コックやポーターとハイタッチをすると、仮眠を取る時間が与えられます。戻ってきたときに飲んだ、マンゴージュースが非常に美味しかったのを覚えています。仮眠といっても、外は明るいし、興奮状態で寝つけるわけでもないので、1時間ほど休憩したら、昼食を取って下山を開始します。

 

ガイドの調子も良くなったように見えたので、彼に対して、これまで溜まっていた不満を伝えました。正直、登山開始から登頂成功に至るまで、彼はガイドらしいことを一つもしていなかったと思うし、自分のペースで勝手に進んでいただけだと思ったからです。別に高山病になったことを責める訳ではなく、チームなのだから、辛いときは辛いと言って欲しい、と。たぶん、日本にいたら、こんなことは言わないし、6日間我慢すれば二度と会わない人だから、何も言わなかったと思います。けど、言わなければ伝わらないのが海外だし、これから彼にお世話になる人のためにも、言うべきことは言っておこうと思いました。実際、それからの彼の行動と発言はそれまでと大きく変わりました。こちらを気にするようになったし、キリマンジャロの説明が格段に増えました。

 

バラフキャンプからはムウェカキャンプ(1630m)まで一気に下ります。ここで、体力がある人だったら一気にモシまでその日中に行かないか提案されると思います。1日早いビールやシャワーの誘惑は強いですが、私は無理しないほうが良いと思います。バラフキャンプからゲートまでは7時間ほどかかると思いますし、1日でそれほど長い距離を歩くと、翌日のダメージが大きいと思います。

 

ムウェカキャンプまでの下り道は、非常に単調ですが、結構足にダメージが蓄積されていきます。また、雨が降りやすい地帯にもなるので、レインウェアや傘の準備はしておいたほうが良いです。

 

単調な下り道で、先ほどより格段に仲良くなったガイドが、チップの話をしてきます。覚悟はしていましたが、チップに関して彼らは不満を持っているようでした。キリクライマーズはすべての料金にチップも含まれていましたが、彼らはそれを知りません。自分たちに直接渡されるものだと思っているので、その金額を知りたがります。そして、ガイドはそのチップをコックやポーターに一部渡すことになるので、しつこく聞いてきたのです。最初は、今はこの景色を楽しみたいと主張していましたが、少し可哀そうになり相談に乗ることにしました。

旅行客としてはチップがツアー代に含まれていると交渉の手間が省けて、非常に楽です。特にチップの文化がない、日本人としてはなおさらです。ただ、ガイドたちにしたら、1回の登山で支払われる給料が不明確で困っているようです。今、彼らを憐れんでチップを渡すことは簡単ですが、やはり根本的な解決はマネージャーのジャスパーと話し合う必要がある、と。ジャスパーが事前にチップ込のツアー料金を提示しているのであれば、彼と1回あたり渡される金額を事前に確認しておいたほうが良い、と彼に伝えました。どこまで納得してくれたかわかりませんが、下山後にオフィスに一緒に行って話してみようと約束しました。

 

5時間ほど経って、ようやくムウェカキャンプに到着です。到着するときには雨も強くなって、キャンプ場は水浸しになっていました。ここが、キリマンジャロ登山最後のテント泊になります。嬉しいような寂しいようなですが、とにかくシャワーを浴びたい気持ちでいっぱいです。